生伴奏でステージと客席が一体となって歌い交わす、その共有感が人々をひきつけ、1950年代~60年代にかけて歌声喫茶は全国的に広がりました。ブームが去り、消えていく店が多いことに危機感を持った橋本春樹・安子(通称P子)夫妻が、「うた声の店を残そう」と仲間と共に立ち上げたのが、うた声の店「家路」です。1979年2月14日のことでした。
2014年に35周年を祝ったその2年後、厨房を担当していた春樹氏が亡くなり「家路」は存続が危ぶまれる状態となりました。しかし「家なき子になりたくない」と言う友人・知人・支援者に支えられ、今も新宿にうた声を響かせています。知る人ぞ知る橋本マスターの料理の味も、しっかりスタッフに伝えられています。
入り口のドア絵について
制作者談
扉の絵は私が描いて2代目、現在の絵は開店10周年に描き替えたものです。
お友達バンドで、トランペットの春樹、トロンボーンの私、そしてピアノはP子さん。三人娘が木の上で楽しく歌っています。当時家にあった
「まなつのよるのおんがくかい」木村泰子(至光社)
と言う絵本に着想して描きました。
お月さまのイメージのまあるい書体の家路を、店主の春樹さんはとても喜んでくれました。